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育児やエンジニアリングについて

~「ギャザリング」とは心の所作である~ RSGT2021に参加しました!

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RSGT2021に参加しました! 結論からいうと、やっぱりRSGTは最高でした。

今年はハイブリッドという新しい形での開催でしたが、 オンラインとオフラインが見事に融合した、まさにハイブリッドカンファレンスと呼ぶにふさわしい場でした!

「ギャザリング」とは心の所作である

考えてみれば 2020, 会場が大崎ブライトコアから御茶ノ水ソラシティに移ったときも、RSGTは変わらずRSGTでした。 そしてフルオンライン参加となった今回も、やはりたしかに「RSGTに参加した」という確固たる感覚があります。 このことから導かれる結論は一つ。

そう、ギャザリングとは心の所作だったのです。

ぼくたちは会場にギャザっていたのではなく、RSGTという概念にギャザっていたのです。

スクラムの名のもとに集まり、あるものはエネルギーを交換し、あるものは暗黙知を伝達し、またあるものは形式知暗黙知に変換し。 これが僕が、おそらくみんなが愛するRSGTだと、これこそがギャザリングなのだと、今年は一層強く感じることができました。

この「場」は決して偶発的に発生したわけではなく、

  • ステイブルチームたる運営の皆様の周到な準備
  • 去年一年間コミュニティに培われたオンラインカンファレンスの叡智、インクリメント
  • 参加者のコミットメント

などなど、これらの集大成としてなされた必然だったのかなと。

スクラムじゃん」とは及部(@TAKAKING22) さん。まさにそのとおりだと思います!

Discordの住人たれ

今年は前回の記事

martin-lover-se.hatenablog.com

で宣言したとおり、朝Discordに「ゴーストをアップして」Discordに住み着きました。

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そして、

「オンサイトでやっていた行動をオンラインで再現する」

徹頭徹尾これを貫きました。 廊下チャンネルに「ウロ...ウロ...」とかしょっちゅう書き込んでいたので、初対面の方からはおそらくヤバい奴だと思われたことでしょう。

オンラインにはオンラインならではの楽しみ方があるというのはもっともな話なのですが、今回は新しいオンラインカンファレンスの楽しみ方を模索する、という僕の実験でもありました。 因果かどうかは定かではありませんが、結果的には冒頭述べた通り最高の3日間を過ごすことができました!

当日の動きはだいたいこんな感じです。

セッションが始まるとき...

  • まずそのセッションの部屋にいき(Discordの該当の部屋のテキストチャンネルに入る)
  • 席を確保し(zoomを起動し)
  • 着席を知らせる(Discordの該当チャンネルに「着席ィ!」などと書き込む - 知り合いや登壇者にアピール)
  • 以降セッションを見ているときは他のチャンネルは見ない(だってリアルでは人間は同時に複数の部屋に存在することはできないですからね、量子力学じゃあるまいし

セッションが終わったら...

  • まず廊下に出て(Discordの廊下チャンネルに入り、「ウロ..ウロ...」とか「キョロキョロ」とか書き込む)
  • だれも捕まらなければ丸テーブルに佇む(丸テーブルボイスチャンネルに一人で入る)
  • だいたい誰かが話しかけてくれるので雑談する
  • 雑談を堪能したら次のセッションへ(以後loop)

こんなムーブをしていました。

そういえば テラスルームにコーヒーとおやつを取りに行く、という所作を抜かしてしまいました。まだまだ解像度が足りないですね。

これは予め「廊下」や各部屋の名前のチャンネルが準備されていたことで成せたムーブでした。 コミュニティの知見に感謝です!

廊下の解像度を上げる

廊下って廊下だけじゃないんですよ(?)

ちょっとソラシティの廊下を心に描いてみると、 スポンサーブースがあって、チョット立ち止まって話ができるスペースがあって、奥に行くとソファーがあったりするわけじゃないですか。

その機能を少しずつ切り取って、オンラインに移植する試みをやっていました。 まあ「丸テーブル」とか「ソファ」とかのボイスチャンネルを作って、そこでだべってただけなんですが。

ぼく的にはこれは大変成功で、多くの人とここで交流できたし、「ちょっとソファーでやすもっか」みたいな行動も観測することができました。
(チャンネル数増やしてしまって申し訳ありませんでした。なけなしの気を使って、いつでも消せるようにテキストチャンネルはつくらないようにしてたんですよ...。)
(後述しますが全体的にコミュニケーションが非常にハイコンテキストになってしまって、初回参加の方には申し訳なかったな、と思っています。)

あと大変画期的だった出来事として、 KANE(@higuyume)さん、びば(@viva_tweet_x)さんが廊下を配信してくれて、ここで多くの人と話すことができました。

note.com

なにより、「心に廊下をインストールできた」こと、これが大きかったですね。 去年の記憶を頼りに廊下をイメージしていたのですが、映像がついてきて、しかもリアルタイムにオンサイト参加者とコミュニケーションが取れることで解像度が一気に高まりました。
もちろん配信の画質/音質もすばらしく、心の廊下の解像度向上に一役買っていたのはいうまでもありません。大変感謝しております、ありがとうございました!

また、忘れてはいけない、オンサイトからオンラインのぼくに何かにつけてメンションをくれたいくお仲間、「いきいきいくお」こと小田中(@dora_e_m)さんの存在も大きかったです。 彼のおかげでオンサイトとのつながりを常に感じることができました。
彼がファシリテートしたOSTは、ハイブリットOSTという新たな形態の一つの到達点ともいうべき場でしたね。圧巻でした。 ありがとう、いくお!

バーチャルぼっちを恐れない

とにかく雑談コミュニケーションを欲していた僕は、「丸テーブルで/少人数で/半プライベートな雑談をする」というあのオンサイト行動を再現しようと躍起になっていました。

当初の作戦は「廊下でウロウロし -> 知っている人を見つけ -> メンションしてボイチャに連れ込む」というものでしたが、 セッションが終わった後、Discordの廊下の廊下に出てくる人は割と限られていて、「知り合いを見つける」が成立しませんでした。そりゃそうか...。オンサイトの廊下は偉大ですね。

結局、休憩時間になったら廊下チャンネルにウロウロを書き込んで存在をアピールすると同時に、丸テーブルに一人佇むというムーブを完成させたのですが、 これは大変よく機能して、話したかった多くの人たちが話しかけてきてくれました。

じっさいボッチで佇んでいた時間は5分もなかったと思います。「こいつは誰かと話したいんだな」というアピールとして通じたのでしょう。 バーチャルぼっちでいることを恐れないだけで、多くの良質なコミュニケーション体験が得られました。

バーチャルサイゼに集合な

打ち上げはサイゼリヤをバーチャル空間に開店して行いました。入店してきてくれた方にはもれなく「いらっしゃいませ〜当店はセルフサービスとなっております」的な雑なアナウンスを行い、もれなく心にサイゼリヤをインストールさせていただきました。 これもおそらく、初対面の方からは(もしかしたら知り合いからも)狂人の類と思われたことでしょう。

サイゼリヤ」の命名については前回のブログにかいたのですが、「ボイスチャットルーム1」みたいな味気ない名前より、特定の、みんながわかるお店の名前で「サイゼで夜中までだべってさー」みたいな共通体験がえられるといいな、くらいの感覚です。

最終日に雑に「サイゼリヤ」チャンネルを作って、とりあえず知り合いを集めてみたところ、勝手知ったる距離感でオンライン同士でもテンポ良く話せて大変満足でした。個人的には、会話のテンポはその会話の満足度に大きく影響する大事なファクターです。 僕としたことがビールを買いそこねていて、それだけが心残りですね。

また、3~4人で話していれば誰かが入ってきてくれて、いつもより知り合いが増えたし、色んな人と話せたなーという感覚があります。 だいたい3人くらいボイスチャンネルに集まっていると、その後はどんどん人が増えてくる現象があるみたいですね。何度か観測しました。おもしろいですね。

オンサイトだと、同じお店にいないと会話できないですし、移動するのもなかなか難しいので、これはオンラインに軍配があがる良い例だったなと思います。

そういえば、今年は「下の中華に集まる」という現象が発生しなかったのが意外でしたね。 みんなが集まって今日のことを話すことが本質なのであって、場所はどこでもよい、ということでしょう。

僕はというと、そんなに中華に思い入れがあるわけじゃないですけど、「毎日終わったら中華に集まって宴会をしている」というその様式美を観測するのがたいへん好きだったので、正直なところ少しさみしかったです。 「誰かがいれば人が集まる」という現象もあるようですし、来年オンラインがあれば、勇気を出して声をかけてみようかなと思います。

能動的参加者

一つ反省として、全体に渡って超ハイコンテキストなコミュニケーションを多用してしまいました。 特に初参加の方、英語話者の方にとってのコミュニケーションや参入障壁になってしまった可能性は否めず、その点は申し訳なかったなと思っています。

今回のRSGTでは、 おがさわらさん(@bonbon_0605)/さいとうさん(@nolick1219)の「知り合いを増やす」という今最も必要とされているニーズを捉えた画期的なセッションや、 なべさん(@watanabeisan)の「初心者の館」など、積極的に初参加の方を仲間にしようという流れが顕著に観測できました。 ぼくにとって、このような行動が実践できる方々はほんとうに尊敬できます。

一方僕はあんまり器用でないし、人に気を使うのも周りに気を配るのも得意でないです。 僕にできることといえば、僕が目一杯楽しんで、その正のエネルギーを周りに少しでも伝播するくらいかなぁ、とかそんな事を考えていました。

もちろん、だれかの自由を奪う/だれかが不快に感じる行動をしないとか、最低限のルールを守った上で、です。 (自分で認知できる範囲で、ですが...。もし会期中の僕の行動でなにか不快な点を感じられた方は、大変お手数ですがぜひ僕に直接フィードバックを貰えればと思います。)

実際、今回はいままでのRSGTの中でも、もしかしたら登壇した前回よりも「RSGTを一緒に作っている」という感覚が強かったです。 よこみち師匠(@ykmc09) はこれを「能動的参加者」と称してくれました。

この能動的参加者の集合体がRSGTであり、それもこのカンファレンスの魅力の一つなのかな、と思います。


そんなわけで、今年も最高の3日間でした。 いやいや、いまもDiscordでは熱狂冷めやらぬDay #N が続いていますね!

長くなってしまったので、拝聴したセッションの感想はまた後日書きたいと思います。